日本書字文化協会は、公共性高く理想を掲げ、文字文化の伝承や発展の為に貢献する団体です。

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月刊書字文化

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〜日本書字文化協会機関紙No48〜
平成29年  9月号


一般社団法人日本書字文化協会機関誌
編集長 渡邉啓子
代表理事・会長 大平恵理
〒164-0001 中野区中野2-13-26  第一岡ビル3階
電話03−6304−8212 FAX03−6304−8213
Eメール info@syobunkyo.org



目次


◆第6回総合大会特集


◆「評価の観点」参照を


◆ひらがな・かきかたコンクール 応募8500点


◆審査講評 中央審査委員会委員長 加藤 東陽


◆金銀銅賞の副賞を一本化  樹脂製の小型カップ


◆東・西・南・北 中央審査委員会副委員長 辻 眞智子


◆全書研静岡大会は史上最大規模の参加者で盛り上がる


◆コラム「こころ」書文協会長  大平恵理


◆9/23中野ゼロホールで総会、中央審査会、懇親会を開催


◆コラム「きのう今日あす」 書文協副会長 渡邉啓子


◆9/23中野ゼロホールで総会、中央審査会、懇親会を開催


◆コラム「きのう今日あす」 書文協副会長 渡邉啓子




「評価の観点」参照を


第6回全国書写書道総合大会(総合大会)の指定課題について、どの部分を注意して書けば良いかを手本の上に図示した「評価の観点」が各コンクールの指定課題ごとにホームページに掲載されています。学生展公募の部、硬筆コンクールへの出品直前の点検に、出品後の振りかえりにご利用ください。コンクール出品がそのまま書写書道の学びとなるように公開しているものです。作者は書文協会長・大平恵理です。
ホームページでの参照の仕方は、フロントページの写真の下にある横タスクバーの右から2番目の大会にカーソルを当てると、6つの項目がスクロールされます。その中の「総合大会」をクリックすると評価の観点にリンクするボタンが出ます。それをクリックしますと、コンクール指定課題の表が出ますので、各学年をクリックすると評価の観点が出ます。ダウンロードしてお使いになるのも自由です。



 第6回総合大会の「評価の観点」の例です (共に小学5年指定課題)


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ひらがな・かきかたコンクール締め切る


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第6回全国書写書道総合大会の「平成29年度ひらがな・かきかたコンクール」の審査は8月7日、東京・中野の書文協本部で、辻眞智子副委員長同席で行われました。今回の応募点数は8500点(第5回8391点)で微増でした。参加資格が小学3年生までに限定されているのが、このコンクールの特色です。文字書きを始めたばかりの幼児・低学年が多くいますが、いずれも字を書くと言う意欲にあふれた作品が多いことに感心しました。審査の中で重きを置いたのが「気脈(きみゃく)」です。字の勢い、線の生命と申しますか、この気脈は課題を何度も多く書くことによって生まれます。この気脈を受け止めることに心を砕きました。

次いで、配置も重視しました。作品はいずれもマスに書くのですが、文字の払いがマスから飛び出していたり、字がマスにくっついている作品も見受けられました。文字をきちんとマスの中に配置することも大事です。

筆記具の関係では、消しゴムの使い方が気になりました。基本的には消しゴムは使わないことですが、発達段階に応じて使用することがあっても良いと思います。ただ、消しゴムを使った跡が分からない程度まできちんと消してください。消しゴムの跡が残るのは、作品の見栄えを下げます。

このほか、鉛筆の先を回さないで使い続け、後になると字の線が太くなってしまった作品もありました。文字書きビギナーとして指導の先生方も細かく教えていただくようお願いいたします。



ひら・かきコン

金銀銅賞の副賞を一本化

〜各指導者に理解を求め説明文を送付〜


金銀銅賞の副賞は一律、樹脂製カップ


応募資格が小学3年生以下に限定されています当コンクールは、書写書道を始める第一歩のコンクールとして、幼児、低学年児童たちの意欲、達成感、自己肯定力を強めることを大きな目的としています。文部科学大臣賞始め各賞建ては他コンクールと同一ですが、賞の大半を占める金銀銅賞の副賞につきましては子供たちが喜び、かつ教室で見せ合っても切磋琢磨の連帯感を育てるものはないか、各方面からいろいろご意見をいただきながら検討してまいりました。

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その結果、今回コンクールから金、銀、銅賞の副賞は一律同一の物とし、今回は樹脂製カップ(写真高さ12,8センチ)を開発していただき、賞を讃える意味合いが強く出ているものとして採用いたしました。ただし、出品料に変更はございません。
1/5 優秀作品展示・交流会 in浅草 なお、第6回総合大会全体として、上位入賞者の在籍園・学校、地教委に連絡し、表彰を依頼する顕彰伝達は今年も行います。また、11月5日、東京浅草の浅草公会堂展示ホールで、前回同様に優秀作品展示・交流会(ひら・かきコン作品は大臣賞のみ)を開催しますので、下町散策を兼ねぜひおいでください。


東・西・南・北


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「お稽古事は六歳の六月から習い始めると上達する」と昔から言われている。ご多分に漏れず私のお稽古初めは六歳の六月、小一の時だった。だがそれは書道ではなく日本舞踊で、書道の師の門をたたいたのは二学期の始まった秋のことだった。
師は若い女性で、間もなく遠方に嫁がれてしまい思い出は殆んどない。小学生時代の私は何故か書の師との縁薄く、師のご事情で三度もお稽古場が変わった。三度目の師は、宮様方に手ほどきなさったと聞くご高齢の夫人で、子供心にも鶴のようだと感じられる方だった。やがて品川のご自宅から国立までは通えなくなり、お別れの日にいただいた短冊は軸物に表具し直し、今でも新年になると仏間の置き床で我が家の正月を共に祝ってくれている。
新しき年の初日に富士の嶺の雪さえにほう 朝ぼらけ哉粘葉本和漢朗詠集(伝藤原行成筆)の書風のにじみ出る雅な一首で、六十余年を経た今尚、墨の香がほのかに漂ってくるように感じられる。
中学生になり入部した書道部での競書誌「中学書道」との出会いが、氷田光風先生との出会いにつながり、その時、私は書を友として生きる第一歩を踏み出したのではないかと思っている。自分自身の強い意志があってこの道を歩んできたとは思えないが、両親に導かれ、よき巡り合わせを大切に、柔軟に自然の流れに逆らわず生き、今日を迎えられているような気がしてならない。
「これからの女性は一芸に秀で、何か職業を持っていた方がいいわ。芸は身を助くということわざがあるのよ」と、母はよく言っていた。戦後、大きく変わってしまった環境に置かれた母の実感だったのだろう。そして、日本の貧しい時代に私達姉妹をいろいろなお稽古に通わせ、子供達の可能性を何か見出そうと努力してくれていた。小学生時代の私達の放課後は毎日お稽古事で忙しかったが、昭和という時代は今よりもゆったりと豊かに時が流れていた。
四十六歳で身罷(みまか)ってしまった母。現在の私達を見て彼の岸から母は喜んでくれているのだろうかと、妹とよく話し合う今日この頃である。



第58回全書研全国大会



低学年の水書指導で盛り上がる
〜学習指導要領解説国語編に明記〜


全日本書写書道教育研究会(全書研)の第58回全国大会は8月8、9日、静岡県浜松市のクリエート浜松を会場に開催され、大会史上最大規模の550人近い先生方が参加しました。
大会主題は「文字文化の担い手を育てる書写書道教育」。全書研は、学習指導要領を充実させ書写書道教育の発展に期することに力を注いでおり、文部科学省への国民署名提出など運動を盛り上げてきました。その一環として、小学校低学年での水書の指導を許可するよう求めてきたところ、文部科学省は今回の小中学学習指導要領改訂で、小学校低学年について「適切に運筆する能力の向上につながる指導を工夫」を加えたのに続き、要領解説書(平成29年6月公開)では「水書用筆(すいしょようひつ」等を使用した運筆指導を取り入れるなど」と明記しました。

これは、毛筆は3年生からとしている現行指導要領の中で軟筆の使用が取り入れられた画期的な変革で、学習指導要領より先行し低学年の毛筆指導を行っている我々社会教育団体にとっても歓迎できます。全書研の取り組みでは硬筆への好ましい効果も報告されています。



解説書リーフレットを希望会員に配布


同大会では「小学校第1学年及び第2学年における水書用筆の使用について」(裏面に指導要領解説国語編の抜粋を資料として引用)
のリーフレットが作られました。書文協では全書研の了承を得ましたので、会員にこのリーフレットを配布します。ご希望の指導者先生はご連絡ください。

大会では、当機関誌7月号で掲載しました通り、加藤東陽先生(書文協中央査委員会委員長)が全書研会長に選出されました。



こころ


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夏休みも終わりかけた8月22日、書文協本部教室で、席書会が開かれ、16人が毛筆の半切、八ッ切に取り組みました。参加したのは書文協専修学院の生徒です。

第6回全国書写書道総合大会のコンクールの一つ「学生書写書道展覧会」の席書の部は、全国21箇所で9月初旬までに分散地方決勝大会が開催されています。作品は全て東京に集められ、中央審査委員会が厳正に審査します。書文協本部は東京中央大会、青梅大会を主催していますが、この日の参加者らはどちらにも行けなかった生徒です。

今の生徒たちはともかく忙しくて、夏休みでも予定がいっばいです。なかなか日が限られた大会に参加できません。しかし、生徒たちに是非とも席書の雰囲気を味わってもらいたくて。今年初めて本部での席書会を開きました。書文協では昨年から席書の普及を目的に条件を満たせば自宅での個人席書も認めることにしました。この日の本部席書会はその一環と言えるものです。
条件とは何でしようか。書文協では「席書四条件」と呼んでいます。@決められた一定の時間(書文協ルールでは25分)にA手本を見ずにB所定の用紙二枚に書いてC良い方を自分で選んで提出する、というものです。

席書の醍醐味の中核は、 この一回勝負の本番感覚です。決まった日時に、決まった用紙に手本を見ずに書くには、それだけのメンタリティが求められます。
その日に最高の調子にもっていく努力も必要です。届け出、管理をしっかりすれば、この核心は守られるのではないか、と考えます。
たくさんの人が一堂に集まる大会形式や保護者らも集めた大会のショーアップも大事ですが、いろいろな席書の形があって良いのではないでしょうか。権威者が揃う中央審査委員会の審査能力を信じていますが、できれば最終的に優秀舎者が覇を競う決勝があっても楽しいかな、と考えたりしています。皆様のご意見をお聞かせください。



会員総会、中央審査会、懇親会
9/23中野で開催


会員総会:11:00―12:30
中野ゼロホール西舘学習室2(活動方針説明、質疑応答)



中央審査会:13:30―16:30
中野ゼロホール西舘、学習室2、美術ギャラリー(第5回総合大会学生展、硬筆コン、総合賞審査)



懇親会:16:30−18:30
(中野ゼロホールもみじ茶屋)



<アクセス>
中野ゼロホール(区立もみじ山文化センター)
東京都中野区中野2−9−7
TEL:03−5340−5000(代)
・JRまたは東京メトロ東西線の中野駅南口から線路沿いに新宿方向へ戻る形で徒歩8分。
・書文協本部はその途中、道路沿い右側。
南口から徒歩5分。



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中央審査会


席書大会責任者を審査専門委員として招聘


9月23日(土)の審査会は「全国学生書写書道展」「全国硬筆コンクール」と総合賞を審査するもので、中央審査委員会委員の先生方、書文協の会長、副会長、教学参与が審査会委員として加わります。
また、学生展席書の部で各地区大会の責任者を務めた先生方を専門委員として招聘します。ご意見を自由に述べていただき参考とします。公平性確保の観点から審査結果の議決権は持ちません。


中央審査会を会員に公開


会員で中央審査会の傍聴を希望される方は、書文協教学委員会の議を経て中央審査委員会の許可を得れば傍聴できます。審査の透明性確保と教場指導者の審査能力を高めるためです。書文協では、コンクール出品時の団体審査(一次審査)尊重を基本としており、各団体の審査能力向上を期待しています。ぜひお申込みください。
ただし、審査委員、専門委員、傍聴者は審査会で見聞きした情報は守秘していただきます。


懇親会で審査委員、各地指導者と交流


列島各地の教場指導者、書写書道教育の権威者がそろう中央審査委員の先生方の交流の場として懇親会を開きます(専門委員、会員は会費2,000円)。 飛行機の時間など考慮し、18:30に中締めを予定しています。


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きのう 今日 あす


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私は文房四宝が大好きで手持ちがあればつぎ込んでいました。書写書道でいう文房四宝とは筆・硯・紙・墨を言います。随分あげてしまいましたが、その当時のものを小出しにして使用しています。
今回、学生展でかなを選択した子に硯と墨を使用させてみました。ふだんは練習量重視のため墨汁を使っているので、墨を硯で擦(す)るという行為を知らない子どもばかりです。

墨の擦り方を知らない子も多く、とても新鮮な様子。墨を手にした時、「いい匂い。」と普段とは違うものを感じたようです。「墨の香りが漂ってくるから、ゆっくりゆったり擦るときめ細やかな墨になるよ。」と話して席を離れました。
すると中学3年生の子が寄ってきて「来年かなを選んだら私も使える?」と聞いてきました。作品作りでは紙等も選び、墨色がよく、濃淡もきれいに出るので、墨を擦って書きたいところですが、漢字一行ではかなり墨を使いますので、書くより擦る方が多くなってしまいます。なので、今回は特に色味を意識したいかなに絞りました。
 「硯はいくら?」「ピンからキリまで色々あるけど、これは持ち運び用だから1万円ぐらいだよ。「墨はいくら?」「やっぱりピンからキリまであるよ。かなは青墨にしたけど数千円。漢字用のこっちは1万円超えだね。」「高いんだね。この墨どんなだったの?」「ねずみが描いてあって、招福って書いてあったの。ねずみはしっぽしか残ってないね。」「うん。福も消えちゃってるよ。もう福こないね。」、、、等と話し、手に取っていました。「じゃぁ、1度擦らせてもらったら?」と話すと、そろそろと高校生の所へ行き、擦り擦りしていました。
「高校生になったら作品作りを楽しめるよ。中学生まではその時の基礎力を身に付けてる感じだね。」とよく話します。

私のきっかけは小3の時にお年玉で購入した矢立。その次は小6の時に行った中国で購入した落款印の石材でした。みんな忙しく、来た時は練習練習ですし、道具の手入れくらいまでしか伝えられません。 字典は揃えるようにしていますが、そういったものに下級生も関心を示してくれたことが大きく、嬉しい時間でした。



教 学 半


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「これ、なぞって書いてる?」「意味分ってるかしら?」。府中市の北山幼稚園での年長児書作品展示会は8月24日から3日間、園内で行われ、にぎわうと同時に、驚きの声が上がりました。指導者の私は「子供たちはちゃんと分っているのです」と、自信を持ってお答したいいと思います。

たくさんの工作品や絵画の中でひときわ目を引いたのが、年長さん約100人が全員一人一枚ずつ仕上げた書写作品です。作品は仮巻に貼られ、より一層作品を引き立てていました。
先生方からは、「年長、年中さんの保護者にとても好評で、、習わせようかなという保護者も多い」と好評の声を頂きました。最も嬉しかったのは「みんな自分で書いていると説明したら、大変驚いていた」というお話でした。まだ年中のうちの9月から始まった毛筆一斉授業。私も誰にかけられたわけでもないプレッシャーの中、授業を工夫して、必死で取り組んでまいりました。月二回、一回20分の授業でここまで成長できたことを心から喜んでいます。

そして思うのは、書写の技術と共に言葉の力の大切さです。
文字は体験とつながるように心がけました。クリスマスが近いころは「サンタさんがはいているくつ、知ってるね。あれがこの字だよ」。目をキラキラさせた園児らは、元気に「くつ」と書きました。今度の展示会で書いている「くし」「いし」「しろ」は全部こうやって書いたものです。
今度は「おかあさん」と書かせてみようかな。ヘレンケラーのように、愛を言葉と文字で教えるのです。でも、書写的に五文字はまだ無理だな、と両方のバランスを考えます。書くことのできる文字、紙に収められる文字は年齢的に少ない為、頭を痛めます。
園児のおかげで、私も成長できそうな気がしています。



月刊書字文化


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書写書道の専門用語に「気脈(きみゃく)」という言葉があるのを初めて知りました。「えっ、知らなかったのですか」と書文協の先生方に驚かれました。もちろん、言葉自体は知っていました。「気脈を通じる」などとして使ったこともあります。その「気脈」が、書の作品の善し悪しを左右する重要なポイントだとは知らなかったのです。書写書道をやる人は常識的に知っているそうですね。きちんと学んだことのない門外漢の筆者らしい話ですが、この言葉は書の精神性を象徴するものとしてとても気に入りました。子どもたちにも広めていかねば、と思っています。

知ったきっかけは第6回全国書写書総合大会の「ひらがな・かきかたコンクール」の審査です。加藤東陽審査委員長が「この作品は気脈があるね」と、審査の大事なポイントにしているのを知ったのです。気脈を書道用語辞典で調べると「書の文字間・点画間における気持ちのつながり・流れで、 脈絡のことです。 実際に線が続いていなくとも、 流れ・つながりのある書は気脈が貫通していると感じられます」とあります。

ひらがな・かきかたコンは参加資格を小学3年生以下に限定した大会です。そんな文字書きビギナーの気脈のあるなしです。実際に線が続いていなくても、書に流れ、つながりがあるのを気脈が貫通した作品と言うのですよね。つまり、ちびっ子が自分で、今なんという文字を書いているのかをちゃんと知り、ちゃんと書き切る意識を持っていないと気脈は生まれないでしょう。

しかし、考えてみればこれは当たりまえのことです。ちびっ子、シニアに限らず、そうあることが書くというですが、筆者が驚いたのは、その気脈が枚数を重ねることで生まれる、養われる、というセオリーがあることです。書文協の先生方も「課題を何回も何回も書けば書くほど気脈は通じるのです」と経験則を語りました。渡邉啓子副会長などは、1つの課題を1千五、六百回書いた、という伝説が残っています。「好きだよな」としか思っていませんでした。「そうか、そういうことか」と、目からウロコの思いです。気脈は養うもの、なのですね。